第664回 年度末は値引き交渉のチャンス

このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論」を展開しております。

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年明けは年度末でもあります。多くのマンションデベロッパーが3月決算を控えているため、3月中に引き渡しをして売り上げ計上したいと考えます。このため、販促のために値引き策を講じる時期でもあるのです。

 今日は、新築マンションの値引き交渉について書きます。

●アウトレットマンションを狙うのも面白い

新築マンションが分譲主の手を離れ、中古市場で「新築未入居マンション」として売り出される「ことがあります。売主は目にしたことのない不動産業者に代わっています。価格は分譲時より少なくとも10%以上は安くなっています。これをアウトレットマンションと呼びます。

バブル崩壊後の一時期に流行したカテゴリーでしたが、3割引きとか4割引きで分譲業者が投げ売りした売れ残り商品です。しばらく見なかったのですが、最近チラホラ見かけるようになりました。

昔は、資金繰りに窮したデベロッパーが当座のキャッシュを確保するために投げ売りしたと言われます。いわば不良在庫の処分策でした。当時は20戸とか30戸といった「ロット売り」でした。買い取った業者(買い取り再販業者と呼びます)は、当初の事業者(デベロッパー)が付けた定価の2割以上下げた価格で売りたいので、買取価格を少なくとも3割、できたら4割引いた価格を要求したと言われました。

デベロッパーは、背に腹は代えられないと要求を呑み、まとめて売却する道を選択したのです。首都圏各地で多くのアウトレットマンションが市場に出されましたが、一部のデベロッパーは必ずしも資金繰りに窮したわけでもないようでした。

理由は何だったのでしょう考え? 

大量の売れ残りを値引きしながら販売することの難しさがあるためです。完売まで長期にわたるだけでなく、値引きを表ざたにすると、既存客からのクレームという新たな問題が浮上する懸念があったからです。

最近は資金繰りに窮する企業は淘汰されたのかもしれません。売れ行きは必ずしも良いわけではありませんが、竣工後1年半を経過し、在庫を多数かかえている物件も散見されます。

そんな物件の中から買い取り再販業者に売り渡される物件がないとも限らないのです。探すには、中古物件のポータルサイトが早いかもしれません。

●値引き対象マンションは竣工が4月以降の物件を除くすべて

 アウトレットマンションの中には何故売れないのか分からないという、悪くない物件もあります。

筆者の分析では、大半が条件の割に価格が高いのですが。

 価格が高くても売れてしまう物件も多数あるのですから、価格が異常なほど高いということでしょうか?

 物件価値とのギャップが大きいという意味では「高過ぎる」というのは当たっていますが、むしろ特徴がない物件、例えば駅から徒歩10分以上を要するうえに建物も「普通・ありきたり・平凡」である、ブランド力も高くないといった何とも中途半端な物件で、価格だけが相場の10%以上も高い物件です。

 こうした物件は売りにくいものですが、販売員(外注先)の技量不足が原因で長期化することもあります。

 しかし、その確率は低く、普通は値引き作戦を採用しながら販売促進を図るので、2年以内には完売してしまうものです。その意味で、アウトレットマンションを狙うのは現実的ではないかもしれませんが、中古マンションの中に「新築未入居」の文字があったら、アウトレットマンションかもしれません。

 新築マンションで既に完成して半年以上経過しているケース、竣工していないが19年3月には引き渡し予定になっている物件は、この3か月間に販売を促進したい企業が多いのです。つまり、それらは全て値引きしてくれる可能性があると考えてよいのです。

 「当社は急いでおりませんので、値引きをする予定はないです」という現場営業員の発言も疑って(聞き流して)、「買いたいのです。真面目に考えてください」などとアピールしてみるべきです。

●値引き提案があったら絶好のチャンス

「今月中に契約していただければ●●●万円サービスします」このような提案が出てきたらしめたものです。

 この種の発言は、売れ行き不振のサインだからです。相手の窮状に付け込むようで抵抗があるという人もありますが、相手もビジネスなのです。販売促進策としての値引きを自ら誘っている状況にあるので、気にすることはありません。

「●●●万円サービスします」には「プラスもOKの含みがあります。売り手は、値引き幅を少なくしたいが、買い手は値引き幅を大きくしたいのです。ここは交渉事です。タフネゴシエーターになるべきです。

●10%引きを最低目標としましょう

交渉には「ダメで元々」という考え方があります。面の皮を厚くして「〇〇〇万円にしていただけますか」と発言してみましょう。〇〇〇に入る数字はおよそ2割引きです。相手はきっとびっくりすることでしょう。「そんな法外な」という言葉が飛び出すかもしれませんが、その反応も計算のうちです。

「だめですか?」ととぼけてみましょう。「とてもとても」の応対になるかもしれませんが、ここからが勝負です。

2割はデベロッパーの粗利です。そこから販売経費や広告費、金利などを支出するのでプロジェクト利益は10%程度、その利益で本店経費すべてを賄うのです。最低でも5%を確保しなければ赤字事業になるといって過言ではありません。

攻防ラインは20%、10%、5%の3段階があると言えるかもしれません。20%引くという例は滅多にないと思った方がいいでしょう。10%なら物件によっては可能です。竣工時期からの時間が長くなるほど比例して値引き幅も大きくなると考えても間違いではありません。

比較的好調な物件でも5%は可能な時期にあります。10%を要求すれば、5%は勝ち取れる時期です。チャレンジしてみましょう。

売主から5%の提案があったら、10%、少なくとも7%を勝ち取れるでしょう。

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