第730回 「マンションは何年住めますか?」



このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。



最近、築40年を超えるような古いマンションを検討する人が目立っています。

「築古ちくふるマンション」の問題点を探ってみました。

(この記事は過去に筆者が書いた記事を加筆訂正したものです)

●気を付けたいリノベーション中古

中古マンションを探している人の中に、あえて築30年以上の古いマンションに限定している人があります。

狙いは、安いからというだけでなく、大胆なリフォームをして好みの間取りにしたいという願望があるからです。

大胆なリフォームという表現は適切ではありません。リノベーションと言い換えます。

また、不動産業者やリフォーム業者が個人所有の中古マンションを買い取ってフルリフォームしてから売り出した、室内だけが新築並みのマンション、すなわち「リノベーション」と表示のある中古を探している人もあります。

以下で、リノベーション中古を購入するときの注意点に触れたいと思います。

●リノベーションとは?

リノベーションとは、英語でrenovation と書き、本来の意味は「改革・刷新・改修」。 壁紙や床の材料を貼り替える程度の「リフォーム」と区別し、設備の刷新や間仕切り変更を伴う住宅改修のことを意味します。

元の中古マンションにはなかった設備を付け加えることで、新しい機能を持つマンションに生まれ変わるということになります。

例えば、食器洗浄乾燥機付きのシステムキッチンや床暖房、暖房便座・洗浄機能付き便器といった、30年以前にはなかった設備を含めて装備し、さらに間仕切りを大きく変えるような工事をリノベーションと定義しているのです。

この工事は、一旦スケルトン(コンクリートむき出し)の状態にしてから作りあげる大掛かりなものです。

●満足度が高いリノベーション

洋服に例えると、マンションは言うまでもなく既製服です。間取りが個性的なマンションもありますが、どこを見ても同じような間取りが多いのが実態です。好みの間取りを見つけても場所が気に入らないとか、場所もいいが、今度は建物全体が貧相で好きになれないなど、なかなか思い通りにはならないものです。

そんな葛藤から辿りついた選択が大胆なスケルトンからのリノベーションなのでしょう。後で述べますが、一見とても安い価格に惹かれる人も少なくありません。

マンションですから、排水管(竪管=上下階を貫く配管)の位置によってトイレの位置は変えられないといった制約はあるものの、ある種、注文建築の楽しみを味わえるのがリノべ―ションです。

制約が様々あってパズルを解くような計画ですが、それも楽しみと言えるようで、その結果でき上がった自宅マンションは満足度100%といったところでしょうか?

また、業者が工事を完了させた「リノベーション済み物件」も満足度は高いようです。小職に届く「物件評価」のご依頼には、次のような感想を付記して来られます。

「マンション全体は古いので、それなりのレトロ感もあるのですが、管理状態は良さそうでした。室内は、すごくお洒落で、色使いも自分の趣味にぴったり。設備も最新のものがついていて、とても気に入りました」

しかし、どこかに落とし穴はないかと思ったのでしょう。「この物件は買っても大丈夫でしょうか?価格は高くありませんか?」などと相談メールを寄せて来ます。

●満足度100%の住まいも資産価値のプラスにはならない

こうして手に入れた満足度100%のマンションには、それなりの費用がかかっています。スケルトンからのリノベーションとなると、最低でも500万円は必要で、1000万円を超える例も少なくないと聞きます。

何年かして売却するとなったとき、見学者に対し、「〇〇〇万円かけたのです」などと力説する所有者があります。「だから、本当はもっと高く売りたいのだ」という主張、いや恨み節なのです。

売り手のこだわりは、他人にとって意味のないことであったりします。人間には個人的な好みというものがあります。好き嫌いと言ってもいいでしょうか?

それゆえに、あまり個性的な間取りにしたり、奇抜なカラーやインテリアで飾ったりした住まいも、別の人からは嫌われてしまうことがあるのです。

たまたま同じ趣味の人が見学に来てくれたら幸運ですが、そうでないことの方が確率的には髙いのです。

マンションは永住と決めない限り、購入するときから売却を念頭に置いて選択することが大事です。

費用の掛け過ぎは、他人の知ったことではありません。マンションの価値は、間取りや設備も大事ですが、もっと大事なことは立地条件ですし、マンション全体の価値、例えば規模(スケール感)や共用空間なども含めて総合的に判断されます。室内にかけた費用がそのまま価値(売り値)にプラスとは行かないのです。

●リノベーション済み中古は世話無しでいいが・・・

一方、リノベーション中古を購入した人も、次に売却するときに、同様の落胆を味わうことになる場合があります。

理由は、そもそも購入額が高いからです。自分でリフォーム会社を探し、何度も打ち合わせを重ねて発注するリノベーションより、業者が行ったリノベーション工事完了の中古の方が高いからです。

中古マンションは、築40年近いものになると、レトロな印象の中に味のある建物もないことはないですが、多くは見映えが悪く見学しても購買意欲が湧かないものです。

無論、一番の理由は建物の耐久性や耐震性に不安があるからです。

そこで、販売促進のために専有部分だけでも新品同様にしようという策が自然に登場して来ます。つまり「リフォーム」です。

所有者が居住したままでリフォームするのは難しいですが、移転してからなら思い切った工事が可能になります。思い切った工事、すなわち設備機器の交換をはじめ、間仕切りも換える「リノベーション」です。

リノベーションは、玄関ドアや窓のサッシなどを除けば、新築マンションのモデルルームにも劣らない、むしろ斬新な印象を放つマンションを誕生させることも可能です。

その綺麗でお洒落で、賃貸マンションでは見られない先進の設備を備えたリノベーションマンションは、見学者の購買意欲を高めるのに威力を発揮します。

「新築みたい!」と舞い上がって契約してしまう人もあるのは想像に難くないのです。

しかし、築40年になろうかという古いマンションには重大な欠陥が隠れている場合があるので、見せかけに騙されてはいけません。

価格が適正かどうかという視点では、リノベーション物件は例外なく割高と出ます。

表面は華やかでも、中身(耐震性と耐久性)は大いに疑問のある老朽化マンションと言うべきリノベーション物件は、価値と価格が一致しないのです。

誤解のないようにお断りしておかなければなりませんが、マンション1棟をリノベーションしたものは別格です。 ここで注意を喚起したいのは、あくまで1戸単位で販売されるリノベーション物件のことです。1棟リノベーションは、耐震補強工事も実施し、共用部の改修工事も完了していることが多いからです。

話を元に戻します。

リノベーション物件は、ほぼ例外なく売主が個人ではなく業者です。中には大手仲介業者も見られますが、大半は無名の不動産業者やリフォーム業者です。

築40年を超えるような物件は中々買い手が付かないので、個人の売主は業者に買い取ってもらう道を選択する場合があります。買い取り業者は安く仕入れ、リノベーションを施して販売するわけですが、そのとき信じられないような利潤を加えたと見られる例にたびたび遭遇します。

売主直販なので当然なのですが、仲介手数料が無料であることを強調し、いかにもお得感がありそうに見せる手法で販売に当たっているものも見かけます。

ご承知のように中古マンションの仲介をしても、手数料は最大で6%余しか受け取ることができません。実際は3%になることが多いのです。

これに対し、リノベーション物件を自社物として販売する場合は、仲介でなく売主としての売り上げ100%と利益20%以上を採ることも可能です。

仕入れ価格3000万円+リフォーム工事代500万円、販売価格4500万円、利益1000万円というのが最近の東京都内の平均的な利益構成と見られます。

新築マンションと同等、もしくはそれ以上にお洒落で快適そうなリノベーション物件を見てしまうと、中古相場がよく分からない一般の人は、高いと思わずに買ってしまいがちです。 その点に十分な注意を払うべきです。

●高くても値打ちあるリノベーション

耐震補強工事が完了しているマンションにお目にかかることが1年に1件くらいあります。

補強工事済みのマンションで、リノベーションまで完了していたら、買い手は安心も得られ、かつ新築マンションと見まがう室内に大きく購買意欲を上げることでしょう。

リフォームプランを自ら立案し、工事業者を選択し、打ち合わせ、見積り検討、プラン見直し、工事契約といった一連の作業は相当のエネルギーを要します。

それが無用というのは、随分楽なものです。価格が高いとしても、「世話無しで良い・すぐ入居可能」は、価値があるのかもしれません。

●リノベマンションは問題物件が多い。その理由は?

しかし、多くのリノベーション物件には問題があるようです。

築古であることだけでなく、立地も問題の物件が多いようです。理由を考えて見ました。

リノベーション事業は、個人オーナーから業者が一旦買い取って自社物件化し、内装に大胆な手を入れて転売するというものです。銀行から融資を受けて商品在庫とし、そこに手を入れて付加価値を高めた商品として販売しているのが「リノベマンション」です。

しかしながら、このビジネスの最大のネックは仕入れにあります。つまり、安く仕入れることが難しいのです。所有者の多くは個人で、できるだけ高く売りたいはずです。安くく買いたいリノベ業者とは思惑は一致しません。

結局、業者は売れなくて困っているような中古物件を仕入れるほかないのです。

新しいマンションを大胆にリノベーションすることはあり得ませんから、年季の入った古いものが対象になります。古くて綺麗とは言えない物件は、見栄えが悪いだけに中々売れないで困っている個人オーナーも多いので、リノベ業者の安値買取り申し出に応じることとなります。

古くても立地条件が良く、マンション全体の風格も堂々としているようなケースは、買い手も一定のリフォーム予算を持って探しているので、長い時間を要せずに売れてしまうものです。

リノベ業者の仕入れは、ここに壁があります。

良い立地の良い建物を狙いたいが、売ってくれる人が中々見つからないのです。勢い、仕入れが可能な物件は、買い手が付かない「古過ぎる物件」か、「急いで換金しなければならない事情を抱えている物件」ということになるのです。後者の売り物は滅多にありません。結局、リノベ業者に買い取り(仕入れ)が可能な物件は、古過ぎるか立地条件が悪すぎる「売りにくい物件」ばかりになってしまうのです。

●見落としてはならない耐震性の問題

築古マンションで気を付けなければならないのは、耐震性です。

耐震性は、1981年6月から施行の「現行・耐震基準」によって建てられたマンションは基本的に安全とされます。それ以前のマンションは「旧・耐震基準」なので安全性に不安が残ります。

旧・耐震基準のマンションでも専門機関に診断してもらうと、安全性に問題ないと回答のあるものも存在しますから、旧・耐震基準のマンションは全部が危険というわけではないのですが、「耐震診断」をしてみなければ安心は得られません。

マンションの耐震診断は管理組合(居住者全体)から発注されるもので、個人ではできないため、耐震診断を実施したかどうかと、結果はどうだったかを調べることが必要です。現実は、耐震診断を行っていない管理組合が旧耐震のマンションの70%もあるといわれています(国土交通省調べ)。

つまり、1981年以前の古いマンションは圧倒的に耐震性に疑問を残したまま売り出しているものが多いのです。

なぜ耐震診断が進まないのでしょうか?理由は簡単です。「結果が怖い」からです。「安全」という答えが出ればいいですが、そうでない場合があるので、「臭い物にはふた」ではありませんが、知らない方がいいと考えるのでしょう。

知ってしまうと、「耐震診断実施済み」と「その結果」を売却時の「重要事項説明書」に明記しなければならないと定められているので、それが売却価格に影響することを恐れているのです。

●築40年マンションいつまで住める?】

「マンションというのは、手入れさえすれば何年でも住める」という声をときどき聞きます。また、「鉄筋コンクリートの建物で世界最古のアパートがフランスに現存するそうで、築100年を超える。そのくらいの実績はあるのだから、100年は持つだろう」と語る専門家もあるようです。

 本当に、100年も住み続けることが可能なのでしょうか?

 カギは、手入れにかかる費用にあるのではないかと思うのです。老朽化が進むに連れて修繕費は嵩み、積立金不足に陥るのではないか? そうなれば、老朽化の進行を止めることができなくなって住みにくい状態になる。そうなると、放置されてしまい、修繕積立金の徴収にも支障が出て来るのではないか? そのように懸念する声も聞きます。

マンションは、寿命が近づくに従い、不具合があちらこちらで露呈してきます。排水不良や水勢の低下、壁面の劣化・タイルの剥離・崩落、サッシ周りに隙間が発生して風が入り込む、換気装置の機能不全などが目立ってきます。

とりわけ、コンクリートのひび割れが雨水の浸透を許し、鉄筋の錆び、そして膨張、爆裂といった症状は、耐震性の劣化にも重なります。そして、雨漏り、結露、ジメジメ感といった住み心地を悪化させる現象が増えて来ます。

何十年も経つと、応急措置を繰り返して来たものの、たび重なる修繕に根本的な対策の必要度が増して行きます。

不具合があまりにも頻繁になると、修繕の意欲も薄れ、劣化した箇所を放置したまま、すなわちメンテナンス放棄という事態もあり得ます。管理費の滞納や修繕積立金の枯渇などが、これに拍車をかけます。

日常管理もおろそかになり、共用部分にゴミが溜まり、自転車置き場が雑然としたまま、壊れた機械式駐車場は使用不能、メールボックスの投函扉は半分開いたまま。エレベーター内部は傷だらけで汚れもひどい。

入居者の中には、あまりにも住み心地が悪いので、やがて賃貸するか売却して住み替える道を選ぶ人が増えます。

賃貸戸数は増えますが、賃料が高くないため、入居者の質が問題になったりします。それが更に住み心地を悪くさせます。

すべてのマンションがそうなるわけではありませんが、入居者が足並みを揃えて維持管理に関心を持ち、お金(修繕費)をかけて改修を適切に行ないながら、また管理規約をしっかり守って共同生活を営み、共用部分も我が家の一部としてみんなで慈しんで行けば、50年経ても快適な住まいであり続けることでしょう。

しかし、現実はそうならず、50年も経つとマンションはスラム一歩手前に陥る可能性が高いのです。そのような状態になったら売却金額もしれています。二束三文と覚悟した方がよいかもしれません。

●マンションが分譲のカタチで登場してから50年を経過した今

50年前のマンションがどのようなものであったか筆者にも正確には分かりません。しかし、当時、都心でマンションが分譲されると、社会のエリート層や海外生活経験者が購入して住んでいたそうです。

公団住宅や民間賃貸マンションなどに鉄筋コンクリートの集合住宅は既にありましたが、分譲は数が少なかった時代のこと、昭和41年(1956年)に四谷コーポラスという名の、最も古い分譲マンション(とされる)が完工しました・・・・(この物件は最近解体されました)

その後、秀和レジデンス

というシリーズのマンションが一世を風靡したそうですが、こちらも分譲マンションの草分け的な存在で、今も都区内各地に多数見られます。

これらはもう築50年前後、四谷コーポラスは解体時に60年を超えていました。それぞれの住人に取材をしたわけではないので確かなことは分かりませんが、まだ十分住んでいけそうな気配です。耐震性能がどうか、診断を受けたか、その結果はどうだったか、耐震補強工事を済ませたか、その費用はスムーズに捻出できたのか等々。疑問は尽きませんが、今も堂々とした構えを見せているマンションも残っています。

 秀和レジデンスは壁とバルコニーデザインに特徴があるので、それと直ぐ分かるのですが、外壁を最近に塗り直したらしいことも分かります。

 ライオンスマンションも歴史の長いブランドなので、

初期の物件はそろそろ50年が近付いているはずです。初期のマンション業者で最も数多く分譲したのは商社の日商岩井(現、双日)だったことが記録に残っています。初期は、不動産業者以外の参入が多かったようです。

ライオンズの大京(その頃は大京観光)も、別荘分譲が主力商品でマンションは多くなかったのです。

商社の中では日商岩井が際立っていましたが、伊藤忠、丸紅、蝶理、ニチメンといった総合商社が右習えでマンション分譲に参入した時代がありました。

そして、その設計と施工を数多く担ったのが、長谷川工務店(現、長谷工コーポレーション)でした。

デザインも同じで、個性もくそもない規格型のマンションが大量に登場したのです。長谷工自身も、自ら土地を買って盛んに分譲していました。この頃が、第二次マンションブームと呼ばれた時代で、マンション大衆化時代の本格的な到来だったのです。

最近、筆者に届くお便り(マンション評価サービスのご依頼)には、築40年~50年の物件が増えています。どうしたわけかと考えてみると、それだけ古いマンションが市場に数多く出始めていること、すなわち古いマンションが増えていることの表われと気付きます。

ご依頼の中で築50年超の物件はまだそれほどでもないのですが、築40年以上は目立っています。あと数年経つと築50年マンションも続々と登場して来ることになると予想できます。

●寿命の短い物件は不具合が頻繁に起きる

築40年を超えるマンションは耐震性の問題があるのですが、それと同じくらい、余命の問題もあります。果たして、あと何年快適に住んで行けるのか、不安を排除できないマンションです。修繕が度重なる状況に至ってしまっているからです。

中古マンションの購入を検討するとき、修繕積立金が不足して来る懸念はないか、その調査は必須です。もし、費用の問題が壁となって改修工事が適切に行われなくなれば、住まいとしての快適性は失われることになりかねません。

賃貸が可能としても、賃料を高く取るのも次第に難しいことになるでしょう。

としたら、資産価値が極端に下がる状態が来る前に見切る、つまり売却するという判断が重要と考えます。そうなると、次は損なく売却が可能かどうかというテーマで検討しなければなりません。

内外装ともに綺麗な状態で売るには、早い方が良いこと、もしくは次の大規模改修の時期を見計らって売りに出すということも視野に入れるべきでしょう。最近の新築マンションは、高強度コンクリートを採用し、かつ耐久性の高い工法を用いて75~90年の耐久性を謳う物件が増えていますが、古いマンションは耐久性で劣るものが多く、メンテナンスを怠ると築後40年ほどで真剣に建て替えを検討しないといけない状態になってしまうと言われています。雨漏り、結露、タイルの剥離、給水の異常など、不具合が度々発生するためです。

築40年、50年の古いマンションを買ってしまうと、そこから20年もしないうちに煩わしい問題を抱え込むことになるかもしれないのです。

それまでの修繕履歴をチェックし、度々起きている問題がないか、どのような修繕工事を施して来たか、中でも排水管の洗浄や交換といった工事をしたことがあるかどうか、雨漏りがなかったかどうか、結露が出て売主や施工会社ともめたことはなかったかどうか等々の記録を見つけることが重要です。

素人では難しいので、専門家に見てもらうことが必要になるでしょう。

修繕積立金が枯渇していれば、新たに徴収するか銀行から借入れして毎月の返済分を管理費の値上げで対応することになるかもしれません。古くて修繕費が少ないマンションは要注意です。

目安は、1軒当たり100万円以上の残高を持っているかです。

大規模修繕工事を終わったばかりで3年経っていないマンションなら50万円以上といった額と覚えておかれるといいようです。

総額で1億円あっても戸数が200戸あれば1軒当たり50万円です。50戸のマンションなら5000万円しかなくても1軒当たりにすれば100万円なのです。

●賃貸住戸の比率が高いため、管理状態が悪化する恐れも

最初は全戸自己居住用であったものが、時間が経つと転勤その他の理由で転居する人が増えて行き、そのあとを売却するだけでなく、賃貸するオーナーも増えて行きます。

分譲マンションなのに賃貸マンションのようだ。そのような感想を述べるオーナーの多いのが、古いマンションの特徴です。

賃貸で居住している人は、自分の家ではないので管理意識が高いとは言えません。また、居住モラルが低いマンションもあります。モラルが低いマンションは、整理・整頓・清掃が乱れて綺麗な状態を保つことが難しくなります。それがマンションの雰囲気を悪くしてしまったりもします。当然、価値が低下します。

更に、どこか遠くへ行ってしまったオーナーは、保有マンションの現状を見ていないため、管理に熱心になることはなさそうです。

こうしたことが、メンテナンスの軽視と実施の遅れにつながり、マンションの寿命を一層短くしてしまう恐れがあるのです。

以上のような懸念があれば、古過ぎる中古マンションには、長く住めないかもしれない、そう覚悟して購入することが必要と言えるでしょう。

●築古マンションを買う覚悟「半値になってもいい」

筆者の提供するサービスに「将来価格の予測」があります。買ってから10年後なり15年後なりの売却価格を予測したレポートをお送りするものですが、調査結果(予測数値)には大きな幅があります。

立地によって、建物規模やグレードなどによって、差異が生まれるのは当然としても、その差にときどき驚かされます。古過ぎるマンションが全て安値になってしまうわけでもなく、10年先にも高値で売れるような新築マンションであっても、買い値と売り値(予測値)との乖離幅が大きい場合もあるのです。

購入額から半値になってしまうわけではないものの、築古マンションの人気度は築浅マンションより低いのは確かです。管理の良し悪しが10年、20年と年を重ねて行くに連れて差が広がって行くのです。

分かりやすく言えば、マラソンレースと同じで、デッドヒートを繰り返すのは最初の10キロくらい、ゴールに近い地点では競争相手は90%以上も脱落しています。

買った築古マンションが将来どうなるかは「管理次第」とも言えます。買ったマンションがどうなるかを考えるとき、管理状態や管理活動をチェックすることが必須になるのです。そこが不安なマンションを買うとしたら、将来は半値になるかもしれないという覚悟を持っておいた方がよいのです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらから(http://www.syuppanservice.com

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 ご注意・・・Aだけのご依頼も無論歓迎しますが、Bのご利用には同時にAのお申込みが必要です)

 ※A・Bセットのご依頼がお得です。複数ご検討の方は、物件ごとに料金が必要ですが、割引制度もあります

※お断り!!・・・ご検討マンションを客観的に評価するものなので、辛口の印象を持たれるかもしれないこと、ご承知おきください。