第735回 「仲介手数料の値引きを考える」

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。

今日は、中古物件の購入を検討中の人へ「仲介手数料」の話をしたいと思います。

「なぜ3%なんですか?」と、よく問われます。

結論からいえば、仲介手数料の3%は方が定める上限に過ぎません。値引きしてもらうことは可能です。仲介手数料は各不動産会社が独自に決めることができるため、値切ること自体に何の問題もありません。

しかし、このことを知っている買主や売主は多くはありません。仲介手数料の仕組みを知らないため、不動産会社から言われるままに仲介手数料を支払っている人が多いのです。

不動産会社が独自に決めることができる」といっても、仲介手数料は法律で「上限額」が決められています。上限額とは、「顧客にこれ以上の請求をしてはいけない」というボーダーラインです。一方で、「最低でもこのくらいの金額は受け取りなさい」という下限額も決められていません。

つまり、不動産会社は仲介手数料を不当に高く請求することはできませんが、安くする分には法律上なんら問題はないのです。

仲介手数料を値引きしてもらえる可能性は常にあります。しかし交渉するにあたっては、仲介手数料を値引きしてもらうデメリットについても認識しておかなければなりません

以下で簡単に説明しておきましょう。

買い手のデメリット:不動産会社のやる気が削がれてしまう可能性がある

・・・・・値引きするということは、本来の正規手数料より安く仕事をしてもらうということと同義です。そうなると、不動産会社側のやる気低下につながってしまうことが考えられます。・・・正規料金を支払っている人は多数いるわけですから、他の顧客と比較され、不動産会社にとっての優先順位が落ちてしまうことが懸念されます。

・・・後回しにされ、「欲しい物件が購入できなかった」となれば本末転倒です。そのため、強引すぎる手数料の値引き交渉は避けたほうがいいと言えるでしょう。

売り手のデメリット:お金をかけられない

・・・・・正規の手数料があって、そこから値引きしなければならないとなると、不動産会社側は「節約」を考えるでしょう。 たとえば、積極的な広告活動をしない、丁寧な説明をしない、アフターサービスをしない等です。

値引き交渉の結果、このようなことにも繋がりかねません。手数料の値引きを強く迫るのは買い手から見ても売り手から見ても避けた方が良いと言えるかもしれません。

●仲介料3%は絶対か?

物件価格の3%相当額は、法の定める上限に過ぎません。この上限額は、不動産取引金額に応じて高くなる仕組みです。

仲介手数料のルールを定めている「宅地建物取引業法」では、以下のような計算方法で仲介手数料が算出されます。

仲介手数料の上限額の算出方法を正確に示すと、不動産売買金額×3%+6万円(+消費税)です。この計算式を見てわかるように、不動産の価格が高ければ高いほど仲介手数料の上限額はどんどん増えていきます。

例えば、2000万円で売買すると「2000万円×3%+6万円=66万円」ですが、5000万円だと「5,000万円×3%+6万円=156万円」になります。

●1億円の3%と5000万円の3%の違い

中古マンションの売買を仲介する仕事の手間は、2000万円の物件でも5000万円の物件でも大差ないのに、手数料の額には大きな違いがあることが分かります。

仲介業者の立場で考えてみると、同じ手間で手数料が2倍も3倍にもなるなら、大きな売買物件を数多く扱う方が業者としての経営効率は高いことになるのは明らかです。

郊外の安値のマンションは避けて、都心・準都心のマンションを取り扱う方が経営効率は高い・・・仲介業者はこう考えるはずです。

しかしながら、郊外物件を捨てて都心・準都心のマンションを取り扱いの中心に据えるといっても、ライバル社が無数に存在しますから、簡単に営業エリアを変更するというわけにも行きません。

誰かが言いました。「石を投げたら不動産屋の看板に当たる」と。 仲介業者の店舗数はそれだけ多く、経営は簡単ではないのかもしれません。

●仲介業者の立場では

話を手数料の値引きに戻しましょう。

「このお客さまと契約したら仲介手数料が半分になっちゃうよ…。嫌だなぁ~」

「もっと高い金額で購入するお客さまが現れると思うので、売主さんの了解を取ってから、この買い手さんはお断りしよう。信頼もしてもらえるだろうしな、そうしよう」などと態度を決めます。

「見学者も少なくない物件なので、価格の交渉はできない。そうであるなら、手数料を下げるほかない。買い手の要求の根拠もそこにある。しかし、人気物件だから、値引きなし、手数料も満額払うという買い手もすぐ現れるに違いない」と考える業者は、あっさり次のように言うことでしょう。

「申し訳ありませんが、値引きは致しかねます」と。

このように、物件の値引きも仲介手数料の値引きもできないとあっさり断られてしまうこともあります。

一方、「人気物件であっても自社で両手仲介できるなら収益も大きいから、1週間だけ待って、満額でなくても契約に応じよう」と判断する業者もあることでしょう。

●価格交渉は可能か?

仲介業者の立場に立つと、手数料を値引きするより、物件価格を下げる方が腹は傷まないものです。

例えば、手数料を100万円下げるより売買金額の100万円下げの方が業者の損は少ないからです。100万円の値下げをしても、手数料は3万円減るだけで済みます。

3万円を惜しんで目の前の買い手を断るより、買い手を確実にゲットせよと指令が出ているはずですから。

その意味でも、買い手の貴方は「手数料は規定通りにお支払いしますので、売り値を下げる交渉を頑張ってくださいな」というほうが良いのかもしれません。とはいえ、価格交渉はけっして簡単ではありません。

売主の立場に立ってみると、高く売りたいはずだし、簡単に買い手の要求を聞くとは思えないからです。結局、数か月の経過を見て、「中々決まらないなあ」と売り手が焦り始めたタイミングにならないと、値引き交渉は功を奏することはないのかもしれません。

売り手の側に立つ仲介業者の立場では、売主の顔色をうかがいながら態度を決めるほかないのでしょう。なにせ、仲介の依頼(媒介契約の締結)の際に、「うまく行けば〇〇〇万円、悪くても〇〇〇万円では売れるでしょう」などと言いながら仕事を受けた経緯があるので、市場に出して日が浅い段階では値下げの打診すらできないのです。

できるとしたら、月末で店舗または自分の売上がノルマに届いていない時です。この時ばかりは数字を作るために必死ですから、大きな価格交渉でも夜中に売主さま宅を訪問して値下げを受け入れるように説得しようとする営業マンもあると聞きます。

●中古物件の売主の立場では

売主の立場で考えてみると、5000万円で我が家が売れても、約160万円の手数料を払わなければならないので、手取りは4840万円になってしまいますが、手数料が半分でよければ、4920万円になるのでありがたい話です。

ところが、仲介業者からそんなおいしい話は届きません。そのそも「媒介契約には3%と明記されており、承諾しているのですから。

買手が少ないときなどに、交渉を妥結させる策として、「価格を、〇〇万円下げていただけませんか?私どもの手数料を〇〇にしますので」などと提案して来ることがゼロではないものの、これは例外的です。

つまり、「手数料のお約束を減額してもいいから、話をまとめて頂戴」などの申し入れが売り手から飛び出す期待はないものと思った方がよいというわけです。

●買い手候補が複数あるとき、業者は誰を選ぶのだろうか?

買い手が複数あって、条件面で差がないとき、売り手は誰を選ぶでしょうか?

その選択権は、あくまで売主にあると言って過言ではありません。

「たまたま売主さんと郷里が同じ」や「非常に感じの良いご家族ね。あんな人に住んでもらいたいわね」、「即金で買うということだから、決済も早いし、その方が助かるから」などの理由をよく耳にします。

買い手を選ぶのは売主ではあるものの、買い手が面倒な人だったりすると、営業担当者の方から、面倒な人は避ける傾向があるように聞きます。作業量が多いとか、質問が多過ぎる買い手も嫌われてしまうことがあるとも聞きます。

買い手側に付く業者が売主側と異なるケースでは、懸命に作業をこなそうとしますが、売り手側の業者に尋ねることが多いと、相手業者がこれを嫌い、面倒の少ない別の業者の買い手を選択することも皆無ではないようです。

買い手の要求を満足させ、安全な取引を進めて行くには、担当営業マンの力量にかかって来るのでしょう。必要な情報を正確、かつ迅速に買い手に届けてもらうためには、業者の担当営業マン次第という面を否定できないようです。

とはいえ、買い手も的確に必要な情報を迅速に提供してもらうよう、営業マン任せしない心がけが必須です。あらかじめ、尋ねる項目、聞きたい情報を整理しておくといいかもしれません。

蛇足・・・手数料ゼロを謳う業者には注意したい

✖✖なら不動産物件の売買価格が5000万円以上の場合は、仲介手数料は半額または無料に、5000万円未満の場合でも、売買価格に応じて1.5%+3万円~3%+3万円または無料となります。もちろん余計な諸費用もかかりません。不動産を売買するための費用総額を比べると、✖✖は断然お得です・・・・・こんなキャッチフレーズの仲介業者が存在します。

大手の仲介業者ではありえないスタイルです。仲介手数料は安い方が嬉しいですが、「無料」と聞くと、逆に「ちゃんとした会社なのか」と不安になりますよね。仲介手数料を無料としている会社は、なぜそれが可能なのでしょうか?

このブログは買い手さんを主たる読者なので、買主側の手数料は半額以下といったものがいいと言えますが、実はそうとも言い切れない理由があるのです。

手数料を半額以下に設定してビジネスが成り立つものかというと、冒頭で触れた「高額マンションなら、作業量の割に大きな手数料となる高額マンションを扱うほかありませんから、普通は手数料が半分でいいなどというビジネスは成立しないはずです。それを可能にするには、成約件数を増やすほかありません。

そこで、手数料が半額以下を謳う業者は、同業他社の契約を邪魔し、自社だけで買い手を探す策を追い求めるのです。同業他社が見学したい客がいると連絡して来ても、「改装中なので、ご案内は困ります」などと拒絶したりするのです。

折角の買い手があっても、それを捨てているのです。売り手からみて、機会損失というわけです。業界用語では「囲い込み」と言います。

何という業者か、ここで開陳するわけには参りませんが、事実のようです。売り手さんは、仲介手数料ゼロに惹かれたのでしょうか?仔細は知る由もありませんが、どんな営業をしたら所有者の心をつかんで売却依頼を受注できるのでしょうか?

ともあれ、買い手の立場で考えてみると、売り手の手数料が何%かなどは、どうでも良いことです。ここからは推測ですが、業者は次のように考えているのかもしれません。

「手数料ゼロ作戦で媒介依頼の受注件数を増やせ。媒介物件を増やせば買い手のアクセスが増える。アクセスが増えれば、手数料も増えるはずだ。他社扱い物件の仲介もできるだろうし、トータルでは収益は上がる」と。

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・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらからhttp://www.syuppanservice.com

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