第609回 新築マンションが増えそうもない根拠

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論を展開しております。資産価値を重んじる方のための購入のハウツーをお届けするもので、お気に障ることもあろうかと思いますが、満点の家はないと思っていただき、失礼はお許し下さい。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

このブログでは過去何度か、新築マンションの品不足についてお伝えして来ましたが、今日は改めて今後の見通しについてお話ししようと思います。

 

●年間のマンション供給量(首都圏

新築マンションは、年間どのくらいの供給があるのでしょうか?着工ベースではなく、発売戸数で見てみましょう。

(余談ですが、分譲マンションのつもりで着工したものの、分譲を途中で止めることがあります。売れないから諦めて自社保有にし、賃貸に付すということがあるので、供給とは発売戸数を見るのが正しいのです)

 

過去最高の発売戸数だったのは、2000年の95,635戸でした(不動産経済研究所 調べ。以下同じ)。2001年から2005年も毎年8万戸台が続き、2006年には74,463戸と減少、翌2007年にも61,021戸となり、そこから昨年までの10年間は、4万戸台、3万戸台と低迷しているのです。

 

2000年から2007年までの平均は約8万戸、最近10年は約4万と半減しました。

 

●供給が減った理由は?

どうして、こんなに減ったのでしょうか? 理由は前にも書いたので今日は詳細を割愛させてもらいますが、要点だけを言えば以下の2点です。

 

1)中小デベロッパーの減少が理由です。

つまり、作り手がいなくなったのです。2008年秋に起きた「リーマンショック」は世界金融危機と世界同時不況を招きました。その影響で中小デベロッパーが多数倒産してしまったのです。

 

2)用地の取得ができなくっていることです。

良い土地が中々ないと嘆きながらも用地を確保し、マンション供給を続けていた業者に強い順風が吹いた時期がありました。先述の2000年~2007年の頃です。正確には1997年~2005年ころです。大量供給を支えてくれたのは、多数の法人が社宅や倉庫、工場跡地などを放出したからです。

その後、法人所有地の放出という流れは一巡してしまいました。つまり、放出すべき土地在庫は少なくなってしまったのです。

また、最近は東京オリンピックがきっかけとなり、国の観光政策が功を奏して訪日外国人が増えているため、ホテル建設が活発になっています。これはマンション業者の土地探しの逆風になっています。

さらには、ネット通販が急増しているため、物流センター用地としてマンション適地になったかもしれない倉庫や工場跡地がさらわれているのです。

 

●マンションデベロッパーの動向

土地不足に嘆くマンション業者の中で、異端は住友不動産と言われます。同社は5~6年分にあたる31,000戸の用地を確保済み(全国ベース。日本経済新聞2017年8月10日)というのです。

 

しかし、大手5社の販売用不動産は減少傾向にあるという(同紙 2017年9月1日)報道もあります。その原因として、地価上昇と開発競争の激化で各社とも用地確保が難しいためと解説されていました。

 

(財)日本不動産研究所によれば、2017年1~6月に国内で公表されたマンション用地の売買は29件で、半期では2009年上期以来の低水準という報道もありました。

 

マンション業者が用地難に苦しんでいることは間違いないようです。

 

●方針を換えないとダメかも

新築マンションの需要は、かなり先まで展望すれば人口減によって減って行くのでしょう。人口が増えている東京でも将来は減少傾向に向かうことは間違いありません。

 

しかし、現状ではまだ根強い需要があるのです。中古も含めれば、市場には多数の品が揃っているとも思いますが、ニーズと合わないのでしょう。基本的に新築志向の強い国民ですから、良い新築の登場を心待ちにしている人は多いようです。

 

しかし、希望条件に当てはまる新築は中々出て来ない。そう思うべきではないかと思います。

 

最近、次のような人も目立ちます。

筆者が、あるマンションの話をしたら「それは盲点だった。全く目を向けていないエリアだった。目からうろこが落ちた」と語ったのです。

また、「以前は予算を超えるので見送った物件ですが、DMが来て見直すことにしました。毎月の返済額が思いがけず安かったことと、決算前のセールというキャッチコピーに惹かれたのです。この物件の価値はいかがでしょうか?」と、筆者に「マンション評価レポート」をご依頼くださる例もよく届くようになっています。

 

これらの現象から、筆者は「発想の転換・方針変更を図る買い手が増えている」、「見直す人が増えている=ぐるぐる同じ所を回っている人も多い」と感じました。

 

少なくとも発想の転換をしなければなりません。なにせ、品数より買いたい人の数が多という構造上の問題が立ちはだかっているのですから。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

 

 

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あまり深く掘り下げないで(考えれば考えるほど、調べれば調べるほど悩み、時間もロスするからです)、予算の範囲にあれば、どこでも構わず、興味を持った物件のURL(新築は間取りと価格も)をお知らせ頂くだけでいいのです。

 

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